金銭感覚の違いはなぜ生まれるのか
今回は『金銭感覚の違いはなぜ生まれるのか』についてお話しします。
例えば、誰かと一緒に買い物に行ったとき、自分と相手との
金銭感覚の違いを感じたことはありませんか?
迷いもなく高額なものをどんどん買う人もいれば、
気に入ったものが見つかってもじっくり考えて考えて、
結局買わない決断をする人もいます。
前者は浪費家、後者は倹約家のイメージです。
多くの人は、その原因が収入の違いによるものだと思うでしょう。
しかしたくさんの世帯を見てきたファイナンシャルプランナーの立場で
申し上げると収入の高い低いは一つの要素にしか過ぎず、
実はここに心理が関係していることを実感します。
心理専門の分野の言葉でいうとお金に対する思い込み(マネースクリプト)
という考え方があります。
具体的にはこのような心の状態があります
お金を回避する考え方
『お金の話をするのは品がない』という考え。
日本には特にこの文化が根付いていると考えます。
親、兄弟間でもお金の話をするのは避けられがちであるため、
友人、同僚とは尚更ではないでしょうか。
お金を崇拝する考え方
お金への執着度が高く、『お金がたくさんあれば幸せになる』という考え、
反対に『お金がたくさんなければ幸せになれない』という考え
お金=ステイタスとする考え方
『自分の地位はお金によってもたらされる』という思い込み
この考えの人は他人にステイタス=お金を見せることで満足感を得るため、
良い家、高級車、高価な持ち物を得ることで地位が確立できると思っている
お金を警戒する考え方
お金に対して極端に警戒してしまう状態。
例えば『資産運用』という単語を聞いた途端、耳を塞ぎ、
心を閉ざしてしまう状態。
増えないとはわかっていても銀行預金(タンス預金)以上に
良い方法はないという考え。
金銭感覚はその人の生まれ育った家庭環境、触れた文化によって
決まってくると言われています。
時には世代から世代へ受け継がれていくこともあります。
別の機会にお話しさせていただきますが、子供のころに身につけたお金に対する考えや
金銭感覚はのちに大きな影響を及ぼします。
そのため、子どもへの正しいマネー教育はとても大切であると考えます。
今回はお金に対する考えは人それぞれ違う、そしてその違いは幼少期からの
環境や経験により長い時間をかけて作られたものがあるということを
お話しさせていただきました。