何度相談に乗っても、悩みを解決できない…

My Career Story 4


本当に生きたい人生に気づかせてくれる。それがファイナンシャルプランナー。

そのことに気づいた私は、「自分もファイナンシャルプランナーとなって、多くの人の人生をサポートしたい」と強く思いました。


日本は豊かな国です。でも、お金に対する考え方まで豊かかというと、そうではないと思っています。

私のように、望むがままに高いものを選び、お金を使いすぎてしまう人がたくさんいるのではないでしょうか。


でも、「どんなお金の使い方をするのか」の前に、「自分は本当はどう生きたいのか」に気づくことができると、自然と賢い選択ができるようになります

そのお手伝いをするのが、プロのファイナンシャルプランナーだと思ったのです。



私は、ファイナンシャルプランナーになるための修業をするため、銀行で働こうと思いました。私を担当してくれたファイナンシャルプランナーさんが、「まず金融に強くならなくてはね」とアドバイスしてくれたからです。

探してみると、未経験でも雇ってくれる銀行が見つかりました。ですが、仕事の内容をよく見ると、資産運用のアドバイザーの仕事でした。


「資産運用を伝えたいわけではないんだけどな…」

私はもう一度、担当のファイナンシャルプランナーさんに会いに行きました。

すると「保険の仕事も勉強になります。家族の人生のことをすごく考えますし。単に保険を売るだけの仕事ではありませんよ」と教えてくれました。


よし、保険の仕事をしよう。

そう思い、私は大手保険会社の採用に応募。その結果、全国的に成績の良い支店に配属されることになりました。

ここでの2年間は、お給料をいただきながら勉強させていただいた期間だと思っています。


6ヶ月間、保険のことをみっちり学んだあと、営業の現場へ。目標成約件数を達成しなければならないという厳しさもありましたが、その経験が「あきらめずに目標をめざし続ける」という底力をくれました




その後、今度は経営を学びたいと思い、保険の代理店をしている会社に転職。ファイナンシャルプランナーとして独立するために、経営のスキルが必要だと思ったからです。


ここでの経験も、のちの私を支える大きな学びをくれました。まず、単に保険をおすすめするだけでなく、住宅ローンの相談に乗り、それを解決することでお客様の信頼を得る、というアイデアを実践させてくれました。これによって、私は「選ばれるプランナー」になることができました。「ああ、選んでいただいている」という実感が、やりがいや喜びにつながっていました


マネジャー職を経験する機会にも恵まれました。保険業の世界は、同じ会社にいる社員であってもみんなライバルです。ライバル同士、火花を散らしている人たちをまとめるのは至難の業でしたが、そのおかげで、一つの目標にチーム一丸となって向かう楽しさを経験させてもらいました



ところが、です。


マネジャーとして成果を出せば出すほど、私の中で、ある悩みがふくらんでいきました。

一人ひとりのお客様に、時間をかけられなくなってしまったのです。


私は、保険のプランナーではなく、家計のこと全般を相談できるファイナンシャルプランナーとしてお客様から信頼されていました。しかし、相談を受ければ受けるほど、もっと時間をかけてお客様に寄り添わなければ、お客様の悩みを解決できないと思いました。



「収入が増えたのに、いまのほうが苦しい…」

そう相談されるお客様に、先取り貯金を提案してみましたが、悩みはまったく解消されません。それどころが、先取り貯金するとさらに家計が苦しくなってしまうのです。


 もっと良い方法はないだろうか…。そう考えてみるものの、マネジャーとしてチームをまとめている立場上、一人のお客様に多大な時間をかけられませんでした。


お客様は、いつも同じ悩みを抱えたままだ…。ぜんぜん解決しない…」。そのことが私の心に引っかかったまま、時が過ぎていきました。

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