本心を出すと、人は前向きになれる。
My Career Story 6
心の面からお金の使い方にアプローチするファイナンシャルプランナーとして、家計に悩む方々の問題を根本的に解決したい。
その思いを胸に、2021年11月、私は一つの会社を立ち上げました。
社名は、アバンダンスフィールド。
誰かと比べての豊かさではなく、「あなたらしい人生の豊かさ」を創る場所、という意味です。
起業のとき、とても力になってくれたのが、私が住む横浜市青葉区の起業家団体「まちビズ青葉」です。1000人以上のメンバーがいて、みんなそれぞれに「自分のやりたいこと」を事業にしようとがんばっていました。
この団体の代表に、私は感銘を受けたのです。
代表がこの団体を作ろうと思ったきっかけは、地域が抱えている問題を解決したいと思ったからだそうです。
当時、横浜市青葉区は、主婦の自殺率がナンバー1という地域でした。経済的に貧困な地域ではないのですが、なぜか多くの人が自ら命を絶ってしまう、という現実がありました。
もしかしたら、心にスポットライトを当てたとファイナンシャルカウンセリングで、追いつめられる主婦のみなさんのお役に立てるのではないか。
地域の自殺率低下に、少しでもお役に立てるのではないか。
そんな想いが芽生えてきました。
しかし、それを実現するためには、まずは私がやろうとしていることを知っていただく必要があります。
どうやったら、悩んでいる人に、心にスポットライトを当てたとファイナンシャルカウンセリングがあることを知ってもらえるだろうか。
SNSを通じて発信するという方法があるけど、何が一番効果的だろうか…。
そう考えたとき、これだ!と思ったのが、インスタグラムです。
インスタなら、短い文章で、しかも画像をつけて投稿できる。これなら続けられそう、と思いました。
そして、インスタのフォロワーが9名になったころ、とてもうれしい出来事が起こりました。フォロワーになってくださった方の1人が、「前島さんがおっしゃっていることが、まさに私の求めるものなんです」というコメントをくださったのです。
その方は、神戸にお住まいでした。家計は十分に豊かでしたが、「お金を使うのがコワい」とおっしゃるのです。
実際に面談してみると、家族のために有効にお金を使えない自分を「ダメな人間だ」と責めていらっしゃいました。お金へのネガティブな感情をぬぐえず、人知れず苦しんでおられたのです。
このような場合、お金の貯め方や使い方をいくらアドバイスしても、根本的な解決にならないことがほとんどです。
なぜなら、お金の捉え方や考え方が、苦しみの原因になっているからなのです。
私はまず、考え方を変えるお手伝いが必要だと思いました。
そこで、その方に「ぜんぜんダメなんかではないですよ。だって、こんなに家族想いでいらっしゃるじゃありませんか」とお伝えしました。
自分のことをダメだと捉えている思考が、問題を引き起こしていると思ったからです。
後日、その方から、「実は、面談が終わったあと、お金のことで、泣きながら夫婦げんかしたんです。おかげで、お金へのネガティブな感情が薄れました」とおっしゃるのです。
どうやらその方は、ご主人に遠慮し、お金のことについて本音を言えていなかったようなのです。それが、面談によって「自分は家族のために、お金を使うことを遠慮していた」ということに気づき、その気持ちを正直にご主人に伝えたのです。
結果、ご主人と意見が合わず、けんかになってしまったようですが、それがかえって、お互いの気持ちをさらけだし、きちんと向き合うことにつながったようです。
私は、お金の使い方には、人間関係や潜在意識が色濃く表れると思っています。
そこに目を向けると、その方の本心が見えてきます。
本心を表に出せると、人は前向きになれます。
私と話していただくことが、本心を出せる機会になればいい。
考え方を変えるきっかけになればいい。
そう思っています。