私が伝えていきたいこと
My Career Story 7
たくさんの方の相談を受けてきて思うのは、「悩みを解決するカギは、その人の中にある」ということです。
例えば、家を買うとき、理想のマイホームに住みながら、高額なローンを返すために休日返上で働くのか。理想には届かない家だけど、家計に余裕のあるローンを組み、家族との時間を大切にしながらほどほどに働くのか。
どちらが正解、ということはありません。その方の「ものさし」にかなう選択なら、どちらを選ぼうとも、それが答えです。
しかし、多くの方が、その「ものさし」があいまいなため、自分らしくない選択をしているのが現状ではないでしょうか。
ものさしとは、価値観のことです。価値観は人それぞれですし、ほかの人の価値観を自分の価値観にすることはできません。
自分の中に価値観はある。その価値観が、さまざまな悩みを解決するカギなのです。
また、お金の話は、とかく数字だけの話になりがちですが、気持ちや感情を抜きに考えても、あまり効果はありません。
むしろ、感情が大事。
未来のことを考えたとき、ワクワクしたり幸せになったりする感覚が大切です。
ただ、ワクワクする未来のために、今がまんしすぎてしまうと、幸せな人生につながらなくなります。
多少のがまんや努力が必要かもしれません。でも、それが苦痛になるなら、それはあなたが本当に望む人生ではないかもしれません。
考えてみてください。未来は「今」の積み重ねでできていきます。「今」が心地悪いものであれば、つくられる未来もまた、心地悪いものになるのではないでしょうか。
未来のために、いますべてを締めつけなくてもいい。
私はそう思っています。
以前、20年後にセミリタイヤするために、爪に火を灯すような生活をしながら馬車馬のように働き、貯蓄をしている方と出会いました。
私はこの方に問いかけました。
「これからの20年、がまんがまんの毎日で、ほとんど楽しみを味わうことなく過ごすのが、あなたにとって幸せな人生ですか?」
その方は、セミリタイアしたあと、単にのんびり過ごすのではなく、何かしら仕事をしながらゆったり暮らしたい、と考えていることがわかりました。
仕事をすれば、何らかの収入はあります。その収入を勘案すると、その方が思っているほど貯蓄は必要ないことがわかったのです。
つまり、ある程度お金を使いながら、セミリタイアの資金を貯められることが判明しました。
私は、今を心地良く過ごすことを大切にしています。
だから、がまんしすぎないようにしています。
ほしいものがあれば買います。
ただし、それが自分の「なりたい姿」につながるものである、ということを重視しています。
自分の「なりたい姿」が明確になればなるほど、自分の「ものさし」も明確になります。すると、まんべんなくがまんするのではなく、ここはがまんするけど、ここはがまんしなくていい、という選択肢が増えるのです。
私は現在、6ヶ月のカウンセリングプログラムをみなさんにご提供しています。ゴールは、6ヶ月が終わったあと、ご本人がなりたい姿を具体的に描き、そこに行き着くために自分でよりよい選択をしていけること。
自分の中にある答えを、自分で見出せるようになっていただくのが、私がファイナンシャルカウンセラーとして一番やりたいことです。
もう一つ、子どもの金銭教育にも力を入れていきたいと考えています。
子どもたちを取り巻くお金の環境は、ひと昔前とはまったく違います。ふつうに暮らしているだけで詐欺にあったり、逆に、気軽な気持ちでやったことが、詐欺につながったりしています。
小学生のうちから、お金の捉え方についての教育が必要だと思っています。
また、お金の捉え方ではなく、未来を描き、自分の人生を設計していく「ライフクリエーション」も重要だと思っています。
わたしは常々思うのですが、子どもに「将来、何になりたい?」と聞くのは、子どもたちの選択の幅をせばめている気がします。
何になりたい?という質問は、どんな職業に就きたい?と聞いているのと同じです。
でも、職業は時代によって変わるし、そもそも自分がなりたい職業がないとき、子どもたちは困ってしまいます。
私は、何になりたいかより、どうなりたいかを考えるほうが先だと思っています。
どうなりたいかとは、どんな人生を送りたいかということ。
何をするときが一番ワクワクするのか、どう生きるのが自分にとって幸せなのか。そこから職業を決めるのが順番だと思うのです。
職業に向かうのではなく、好きなことに向かう。それが子どもたちの生き生きとした人生設計、ライフクリエーションにつながるのではないでしょうか。
誰でも、幸せになりたいと思っています。
自分にとっての幸せは何なのか。どんな人生が一番ワクワクするのか。
そこから考えるお手伝いをし、お金の問題を解決していくのが、私が本当にやりたいことです。